http://number.goo.ne.jp/others/column/20050318.html


以前から心の中でモヤモヤしていたものが、上記の海老沢泰久のコラムを見てスッキリした。「いや、まったくそのとおりだ」

サッカーW杯予選の北朝鮮戦。後半ロスタイムのガンバ大阪の大黒が勝ち越し点を入れたあの試合だ。

大黒は一躍時の人となったが、試合自体の論評は海老沢氏の書くとおり概ね「不甲斐ない」とか「だらしない」といったものだった。これらの論評に、ずっとモヤモヤしたものを感じていた。

日韓W杯で日本が決勝トーナメントに進出したこと。
これが全てとは言わないが、このような論評に影響している事は確かだ。世界でベスト16に入った国が、格下と接戦をしたことが許せないといったところだろうか。

思えばこの10年、日本代表は前例と戦ってきた。
フランス大会の予選の時は「W杯に出たこと無い国が、開催国になったことはない」自国開催の時は「開催国で、決勝トーナメントに進まなかったことはない」というヤツだ。
日本代表はこれをクリアしてきた。
だがこれは、ホンのこの10年の事だ。その前は、日本こそが、アジアの国からしてみたら格下だったのだ。少なくとも北朝鮮からみたらそうだった。

前回大会で韓国がベスト4に入るまで、アジア勢でW杯で最高の成績をあげたのは北朝鮮だった。アジアの国々をあまり知らないヨーロッパの人たちでも、サッカーを少しでも知っている人は、その歴史を忘れてはいない。
北朝鮮がアジアのサッカーを世界に知らしめ、驚きを与えたことは紛れもない事実なのだ。

僕は別に北朝鮮にシンパシーを感じていたりするわけではない。ただ、事実は事実なのだ。

ベスト16に入ったことで、日本がアジアで昔からサッカーの強国であったかのような認識は危険だ。他の国を見下すような態度が取れるまでになっていないと思う。ましてやサッカーは、W杯予選のような少数の試合で決着をつけるような大会では何が起こるか解らない。
オランダが前回大会で、アメリカ大会ではフランスとイングランドが予選で敗退している。

海老沢氏が書いている通り、死にもの狂いでやっている試合では、何が起こるか解らない。まさにその通りだ。唯一、予選を勝ち抜いた時だって、オセアニアとのプレーオフ一歩手前でやっと本選に出れた事を忘れてはならない。

今度はイラン戦。前回勝っているから、今回も勝てるという保障などない。