「モーターサイクル・ダイアリーズ」

キューバ革命の英雄、チェ・ゲバラが革命思想に目覚める前の、医学生時代にバイクで南米大陸を友人と旅する話。
「これは偉業の物語ではない」というナレーションで始まるのだが、まさにその通りで、出てくるゲバラは23歳の医学生。自分が何をしたいのか、何が出来るのかを模索している若者として描かれている。
「モーターサイクル」と銘打たれているが、バイクは結構早めに廃車になり、ヒッチハイクの旅になるのだが、医学生と生化学者のコンビということで、目的地はハンセン氏病の療養所という結構硬い設定になっている*1
南米大陸を旅し、始めは旅をすることだけで精一杯なのだが、そこで出会う人との中から、ゲバラは自身の思想を昇華させていく事が、ラストの誕生会で浮き彫りになり、河を泳ぎきった瞬間に、模索していた若者の中が変化するといった映画的描写も良かったと思う。
ゲバラがその後どうなっていくかは、まあ世界的周知のことなのだが、コンビを組んでいる29歳の生化学者がどうなって行くのかが、観ている途中から気になっていたが、ラストのエンドロール直前に、その後の二人の説明があるが、改めて「友情」ってやつに感動したりした。
期待が大きかったのか、決して大絶賛で人に薦める映画ではないが良作だった。浮谷東次郎の「がむしゃら1500キロ」もそうだが、「バイク」と「旅」っていうキーワードは結構俺の中ではツボだね。

*1:実話だけどね