「ゴメン、泣いた。」

以前に何気なくアンテナに入れていた「世界一読みたい!読書日記(http://blog.livedoor.jp/d20030061/)」さんの記事を読んで、泣いた。

以下勝手に転載。

アントニオ猪木のモノマネ第一人者、お笑い芸人の「春一番」は、今年の秋から闘病生活を続けていた。病名は難病の「肺膿瘍」だった。

入院は長期に及んだ。集中治療室に入れられ、全身チューブだらけで寝たきりの日々が続いた。10月3日、3度目の手術を受けた。医師からは、「体力が落ちており、もう手術に耐えられないかも」と死の宣告を受けた。

「命懸けの手術」が終わった。しかし、回復するかどうか、医師も言葉を濁すだけだった。高熱が下がらない状態が1ヶ月以上続き、幻覚にも襲われ、地獄の日々が続いた。

激痛にボロボロとなり、やせ衰えた春一番は、死を覚悟した。「これほど苦しい思いをし、妻にも迷惑をかけるくらいなら死んだ方がましだ」と妻に泣いて謝った。自分のふがいなさに、毎晩涙した。もはや希望はどこにも見当たらなかった。

医師もどうすることも出来ず、「この人に会ったら、元気になるという人でもいれば…」とお茶を濁すだけだった。しかし、綾夫人は諦めなかった。翌日、猪木事務所に「助けてください」と事情を打ち明けた。

そして翌日の夜のことだった。何と猪木本人が見舞いに病院を訪れたのだ。

猪木はスーツに赤いマフラー、マスクをしていた。病室に猪木が入ると、春一番は意識不明の状態だった。やつれた春一番の姿を見て、猪木の頬を涙が伝った。猪木はベッドの横の椅子に座り、春一番の手をそっと握った。

やがて、春一番が幻覚から開放され、意識を取り戻した。春一番は、猪木だとすぐわかった。

猪木が話しかけた。「カワイイ看護婦さん、いるかい?」

すると、何ヶ月も笑っていなかった春一番の顔に笑顔が・・・

ガリガリにやせた春一番の手を、猪木はずっと握り締めていた。

春一番は語る。「とにかく手が凄く大きくて、温かくて、ホントのオヤジみたいな感じがした。あまり記憶はないが、最後に、『ビンタして下さい』って頼んだらしいです。猪木さんは苦笑いして『今日はやめとこうよ』って言ってたそうです」

面会時間は30分程度だった。猪木は、「病院で会うのはつまんねえから、元気になったら飲みに行こうよ」と言って、その場を後にした。

その後の春一番の回復ぶりは、まさに驚異的だった。医師たちも、「燃える闘魂はどんな薬よりも効く」と現代医学の敗北を宣言した。

必死のリハビリを経て、先月25日に退院した春一番は、現在は長期入院で弱った足腰をスクワットで鍛え、猪木と酒を飲み交わす日を心待ちにしている。

猪木が病院を去る時に、サインしてくれた色紙を、春一番は今も大事に毎日眺めている。そこには、「元気ですかー!今日を笑って生きよう」と書いてある。