「ローレライ」

ビデオ半額デーで、閉店の「蛍の光」が流れる中、手に取った作品。こういう日は、観たい作品は殆ど貸出中になってしまうため「まあ、何か借りないと損だな」くらいの勢いで借りた。
さて、正直この作品に関しては不評の声が多かったのだが、感想としては、それなりに作ってあるな、と言う事だ。勿論、不満点は沢山あるのだが、物語的に破綻はしてないし、それなりに観せるところもある。「日本でハリウッド映画を作る」という、目的意識だけはハッキリと受け取ることが出来た。とにかく、問題点を指摘というか、突っ込まれる前に、前に前に進もうという姿勢は良い。「どうせ倒れるなら、前のめりで倒れようぜ!」って感じで。


まあ、とにかく、過去の潜水艦映画のエキスの寄せ集めではある。しかし、その見せ方に異論はあるとしても「潜水艦映画の見せ場はコレだ」という所は外していなかったと思う。そして、潜水艦映画に無かった物として、ヒロインを登場させるというのは、映画としては正解だな。
ヒロイン役の香椎由宇のコスプレ具合は、「やっぱ女優って重要だよなー」と思わせた。まあ、好みとしては、最後までクールビューティーで行って欲しかったな。打ち解けるの早過ぎ。笑顔は最後だけで良いのだよ。
戦闘シーンについてはどうなんだろう、小さいテレビで観たから逆に違和感が薄くなったのかな?あれは、大画面で見ると迫力よりも、違和感の方が増大されるような気がする。
まあ、とにかく最大の問題は、「思想が無い」ってとこかな。日本人だからだろうか、「広島」や「長崎」が映画の中のトピックに使われているのは、やっぱりそこまで割り切れないな。「ローレライ」の装置がリアリティあるとか無いとかより。結局、役所公司が喋ってる言葉も何も、みんな薄っぺらい。作り手が「こんなもんでしょ」と考えてるのが良く解る。まあ、娯楽に徹するなら、ああ言う所はスルーで良いのに。ってか、樋口真嗣に、元々そんな所は誰も期待して無いだろっ。