「初恋」

観に行った後、ネットで「男一人や二人で行くと、間違いなく『あおいたん、ハァハァ』だと思われるよ」と書いてあった。ああ、男二人で行ったよ…orz。



以下感想。ネタバレも含みますので、未見の人は注意!



まあ何にせよ、制作陣の潔さを痛烈に感じたな。はっきり言うと「アイドル映画」と吐き捨てられそうだが、それこそが、映画にとって最良の選択ならするべきだ。
美術も頑張っていたと思う。CGに頼ってしまいそうなご時世で、小物に気を配る事で違和感を無くしていた。「愛国党(一応憂国党に変えてたけど)」とか「どもり、赤面症」のビラ、あったなぁと、でも今あまり見かけないなぁってぐらいの感覚が。
一部では、当時の退廃的な空気が出ていた、と誉めている人もいたが、まあ、違和感無いくらいだったが、それは大きい。物語の中に入り込めるからね。
宮崎あおいは、美人では無いと思うが、女優だな。平均値は低いけど、ある瞬間針が振り切れる。人は、その落差を印象と呼ぶのだよ。顔も、ちょっと古風な顔なのか、ちゃんと溶け込んでいた。っていうか、90%はこの人の顔を見ている映画なので、押し付けや嫌味があっては持たないが、「あおいたん、ハァハァ」でない俺が、持ったのだから、それは凄いな。

小出恵介は、今俺の中でちょっとブーム。いや、この人どういうスタンスで行くのかな?と。で、ちょっと答えを見た。女優を圧倒的に立てるときの相手役には適しているのかも。ドラマの長谷川京子しかり、共演の女優を食わない。まあ、役者としてはそういう生き方もあるからね。いや、この役が、押し付けがましいと、映画のバランスは崩れてたと思う。かといって、まったく無名じゃないし。今回は、かなりGJなキャスティングだった。

母親役のあざとさで気づいたけど、他は解からなかったが、大人の顔は映さないという演出方法だったみたいだな(オヒョイさん*1は味方だから別格として)。でも、正解かも。主要人物以外に、印象が飛んでない。脇脇の彼らの印象がちゃんと残ってるのも、そういう理由かも。

まあ、モノローグで始まって、仲間の役割分担を説明し始める処ぐらいで、かなり焦った。というより、席を見つけられない人が非常に気になった「強行突破するのか!?」って。
クライマックスの過剰な主題歌の大きさの演出も、あまり気にならなかった。押すとこではトコトン押すというのは、間違いじゃない。泣かなかったけど、響いた。

一応、全ての整合性はある程度取れていた。結局、やっぱり状況が、矛盾を無くすのでは無く、感情が矛盾を無くすんだな。

頭を撫でられる事だけで、全てが昇華されるというを理解出来るようになるのは男としては大変だ。しかし、納得が出来た。やはり、物語の中では、男は社会性に動かされ、女は個人性に動かされるという、良い見本だった。

小嶺麗奈姐さんが脱いでてビックリ。いやー、この人は、菅野美穂とのエピソードに男気(女気?)を感じて、以来姐さんなのだが、久々にその存在を確認。これからも頑張って欲しいッス。

*1:小中高の大先輩ッス