「エグザイル/絆」

言い尽くされたと思いますが、勿論某ダンスユニットとは全く関係ありません。


各方面で絶賛の嵐ですな。
…いや解るんだよ、褒めている人の言いたい事。「二丁拳銃」「友情」「マフィア」とかのコンボでもうお腹いっぱいになるのもさ。でもさ、ちょっと、ちょっと待って欲しい。写真一枚で登場人物のモチベーションを全て包括してしまうのはどうなのさ。
脚本ってものは、確かに不必要なものを削って削って、極限まで削ぎ落として作っていく。時には、「物語の裏」にする為に、必要と思われるものも削る事もある。
しかし、気をつけなければならないのは、本当に削ってはいけないものと、削ることによって深みが出るものの境界線だ。で、この映画は俺的はその境界線を踏み越えていると感じた。つまり、説明が足りなすぎる。施設からずっと一緒で、一緒にマフィアになったのだから、そこには「友情」があって当然なのだが、それだけで全ての行動原理を集約するのはどうなのだろう。実際に二人ははじめ殺しに来てるわけだし、その理由やその理由の為に葛藤する心情は描かれず。
一応、実弾で撃ちあってるんだしさ…。


まあ、こういう香港ノワールが絶滅の危機に瀕してるって記事は読んだけどさ。やりたい事は非常に解るし感じるけど、物語を牽引していくのは、やはり葛藤だとは思うんだ。