「世界で一番美しい夜」

えー、これ文化庁推薦映画なんだ。なのにR-18ってどういう事?文化庁・・・。何となくタイトルだけ見て借りた。2時間40分の長尺映画だったよ…。
監督は、故今村昌平監督の子息天願大介


出生率日本一になって総理大臣から表彰を受けることになった村。なぜそうなったか、それは14年前にその村に起きた“ある事件”が発端になっていた・・・。


って、フックなんだけど、これは前半は置き去りにされる。前半はヒロイン輝子(月船さらら)の保険金殺人の疑惑で引っ張っていくサスペンス調。で、後半は・・・。いやーもうスゲーくだらないんだけどさ、何となく引っ張られたりする。いや、冗長な部分はかなりあるし、前半特にキツいけど、何だろ、まあ出てる役者は皆バイプレイヤーとして達者な人が多いし、凄い作り手の熱みたいなのは伝わってくるわ。


今村昌平の作風を換骨奪胎して、良い意味でその深遠まで達しない、出来ない事を潔くやってる感じだな。寓話というところまで行けてるかどうかって難しいけど、テーマのくだらなさを、ここまで真剣にやってる様は清清しい。ヒロインの月船さららは知らなかった。元宝塚の男役なんだね。キレイな人だし、演技もそこそこ出来てて、前半は引っ張っていくけど、後半そこまでやるかという、体当たりにはちょっと驚いた。


まあ、主演が田口トモロヲって、そりゃ公開時には話題にもならんわな。俺も全然ノーチェックだったわ。人には薦められる映画じゃないけど、何だか不思議な物を観たって鑑賞感。『愛のむきだし』を観た時に近いかな。


ラスト、まあ観た人には解るけど『パ○ュー○』のアレが144分の1で再現されます。