「東京公園」

地元の映画館は水曜日がサービスデーなので鑑賞。
うーむ、恐らく一般受けはまずしないだろうし、青山真治監督にも特に思い入れはないので、人には勧めないだろう。
テンポが良いわけでもなく、何だか身体が受け付けないカット割りも多かった。
ただ、創作のヒントと勉強になった個所が数個あったので、俺的には全然元手を取ってお釣りをもらったくらいの感覚なので、満足です。


原作は未読だし、大きく設定を変えたらしいというレビューもあるけど、それは別にどうでも良い。画に上がってきている事が全て。
明るい性格で気の置けない幼馴染みの榮倉奈々、しっかり者の弟思いの姉小西真奈美、主人公の脳裏に浮かぶ誰かにイメージが被る謎の人妻井川遥。という、「それ、何てエロゲ?」的なシチュエーションドラマなんだけど、榮倉奈々は多分男の頭の中にしか存在しない“異性の幼馴染み”ってのを表現してたと思うよ。


もう一つ「元は取れたな」って思わせたのが、三浦春馬小西真奈美のシーン。詳しくは書かないけど、台詞無しの長回しって事で役者の力量が出るけど、凄い斬り合いをしたるな〜と思わされたよ。良い芝居だった。なぜ三浦春馬が主役級で重宝されるのかを見せつけられた気がした。
感情芝居って、感情込めて大げさに泣くとか笑うって事じゃないよね。笑顔の中に、どれだけ哀しみを内包させられるかだね。そういう意味では、小西真奈美ってスゲェなって思わされたよ。さすがつか出身は伊達じゃない。
ちなみに井川遥は無駄使い。長野里美の方が光ってたりした。


まあ、総じて作品自体は良作とは言い難いけど、こう所々でスゲー掴まされるシークェンスやシーンや台詞回しがある映画って評価が難しいよね。