「硫黄島からの手紙」

映画を観終わって、劇場から階段を降りて外に出る途中、後ろでカップルが会話してた。
男「何かもっと感動する話かと思ってたよ」
女「そーだね、結構淡々と話進むしね。獅童とか笑えるし。っていうか、ちょっとグロかったのもちょっとね」
男「もうちょっと、グッとくるシーンとか欲しかったね」
女「そーだね」
男「で、メシ何食いたい?」


ひさびさに殺意という物を覚えました。「っつうか、結構ボロボロ泣いてた俺は何?おめえらは、最後のシーンのセリフとか何も感じなかったのか?それとも、こういう歴史戦記ものも、おめえらにとってはただの前戯か!っつうの!」


以下はネタバレもあり。未見の人は注意!!


色々なところで言われている、二宮和也のセリフ回しが現代風過ぎないか?という事だが、あれは正解だと思う。現代と過去の心情を、繋いでいる感じがした。
外国人監督が作った日本を題材にした映画というと、通常果てしない違和感を感じるものだが、細かい描写はともかく、全体的に気になる部分は全く無かった。物凄いリサーチをしてのだと感じる。
全体的に、俯瞰した表現がないので、どこで何が行われているか、時間経過はどうなのか、とかが解かり難い。ただ、それはあった方が親切ってな具合で、カーナビ無くても、目的地にはちゃんと着いたから良いかって感じ。大切なのはそこじゃないからね。
しかし、前編ほぼ日本語。ハリウッド映画を観ている感じはしないが、日本人が描けない*1描写を、外国人が、それも著名な映画監督がよくぞ作ってくれたものだと、嬉しいやら、悲しいやら…。
男たちの大和」を観た時に感じた、角川春樹の見事なまでのバランス感覚は賞賛に値するが、結局、現状の限界点も同時に感じた。本来はもっとツッコミたかったんだろうな、と。
父親たちの星条旗」は未見なので、やってるうちに行かなければ。

*1:処々、近隣各国の問題で