「メメント」

日曜日に渋谷のシネクイントに「メメント」とという映画を観に行った。
一緒に行った友人が「開始二時間半前から並ぼう」と言っていたが、「ミニシアタ
ーだし、一時間前とかでいいんじゃない」と一時間前に行ったが、物凄い事に
なってました。
八階にある映画館なのに、最後尾は二階まで並んでました。
友人が宣言通り二時間半前に並んでたので、座って観れたのだが、立ち見(映画館
側が座布団を用意してたので座り見もいたが)も多く、なかなかの盛況でした。
まあ、カップルばっかりで、渋谷のオシャレ系ミニシアターに野郎だけで来てる
のは俺らぐらいでした。

映画は知ってる人も多いかもしれないですが、時間軸をまったく逆に描いた
作品です。つまり、普通の映画でいうラストシーンがオープニングシーンに
なっていて、そこからオープニングシーンであるラストシーンに話が進んでいく
といった作りになっています。
時間軸をずらすといった手法は決して珍しい事ではないが、この作品のまあスゴイ
ところは、逆時間軸を最後までやり通していた事ですね。
その手法のために映画として(ドラマとして)犠牲にしている事も多かったよう
な気がしたが、「今まで無かったモノ」をつくるという意味では潔さを感じた。
大手映画会社に「誰がこんな映画観るんだ」と企画を一蹴されたそうだが、
インディペンデントとして、ならではの作品と言える。「キューブ」や「π(パ
イ)」といった映画と共通するモノがありますな。

「誰も作らなかったモノを作る」これは商売の一つのやり方としては正しい。
また、こういう挑戦的な映画を受け入れる(そこそこヒットしたんで)
アメリカ人の映画文化の幅広さを感じた。
一つの映画手法を観るといった意味では、お薦めします。