「運命じゃない人」

霧島れいかは「VERSUS」に出てたんですか。いや、もちろん全く記憶にございません。
良い映画を観た後なので、それを打ち消すような凡作は観たくないという事で、相方が観たがっていた「イーオン・フラックス」をやんわり回避。ぴあを見て意見があったので、ユーロスペースへ。場所変わって初めて行った。円山町の入口に、知らない間に、小洒落たビルが建っていた。
作品の感想としては「良く出来ている」の一言。「あー、俺こういうの書きたいんだよなー」と、感心すると共に、やられた感に凹んだ。


以下、ネタバレあり。未見の人は注意!


序盤は淡いラブストーリーみたいなモンが流れるが、ところどころのギャグやエピソードも笑えたし、良かったので、乗り切れるというか、楽しめる。まあ、主演の二人が醸し出す、ほのぼのとした感じが心地良い。
作りとしては、そんな二人のエピソードの裏ではこんな事が起こってました。って感じだけど、破綻は無かったし、無理も無かった。ちょっと、やくざの組長のキャラが、軽すぎるような感じはしたが、まあ、全体の作調もあるので、許容範囲だな。
霧島れいかが、宮田君の家から金を持ち出すエピソードが秀逸。人間の浅ましさと逞しさを同時に表現してたな。で、ラストの小さな奇跡も、ほのぼのとしてて良かった。結局、誰も傷つかない話なんだよね。同僚の話は被って来るかと思ったが、まあ、そこら辺は良いでしょう。ただ、客乗せたタクシーのランプは消そうよー。
見た事ある俳優と女優だなー、と思っていたら、山下規介板谷由夏だった。テレビじゃ最近見ないからなー。

「あの11桁の番号を知ってるか知らないかで、赤の他人かそうじゃないかを分けてるんだ」というセリフは良かった。観終わった後に、街で知り合いの女優とバッタリ再会して、電話番号と、メールアドレスを交換した。結局、他人になりきれなかったね、honさん。