「2007年の劇場で観た映画のランキングです」

というわけで、遅まきながら2007年の映画ベストテンです。
う〜む、2007年はこれという決め手が少ない作品群ですな。まあ30本観たので、一応ランクに入っているのはそれなりに良かった作品ですけどね。
一応、ネタバレは無いように感想書きますが、そこらへんは自己責任でお願いします。

ではでは、行きます。


第10位 「それでもボクはやってない
周防正行の最新作。痴漢の冤罪を描いています。
主役は「硫黄島からの手紙」にも出ている加瀬亮。最近良く出るね〜。この作品の怖いところは、悪人は出てこないとこ。被害者の女子高生も別に主人公を落とし入れようとしているわけではないし、大森南朋演じる刑事もまあ日常の業務をこなしているだけだろう。検事も判事もね。
で、物語的には、ある重要人物が見つかれば…って感じで引っ張られるが、実際に見つかっても事態は好転しない。ここら辺のリアリティは結構怖いね。
まあ、単調な法廷劇を2時間以上あり、劇的な映画的事象も起こさずにキチンと引っ張っていけるのは凄いね。だけど、その分映画的カタルシスは無い。


第9位 「プラネット・テラー in グラインドハウス
デス・プルーフ」の後半カーチェイスも捨て難かったが、おバカ度ではこっちが上かな。片足にマシンガンってそれだけやりたかったんじゃん。でもそれが心地良い。内容はただのゾンビ映画で、主人公の男が何者なのかとか説明全然無し。
大体、画面のキレイさを追及しているご時世に、わざと画面を汚くするとか、途中で巻焼失とか、さすがタランティーノ&ロドリゲスって感じですな。


第8位 「リトル・チルドレン
一応感想は8月12日に書いているので、再録します。

何の前情報も無し。前の日に姉に「“ロスト・チルドレン”を明日観に行く」と言ったら、「何でそんなに古い映画を観に行くんだ」と言われたぐらい。タイトルも把握していなかった。
前情報何も無しだと、まったく展開が解からないから、悲劇になるのか、喜劇になるのかも解からずただ身を委ねるだねだね。
役者も全く解からず、あーケイト・ウィンスレットなんだ〜と見終わった後に。この人脱ぎっぷりの良い女優さんなんだね。
まあ、アメリカの郊外の昼のメロドラマみたいな話だが、とにかく感心したのが、脇の人物の描写の仕方。一人一人がキチンと描かれているというか、ちゃんと生きて存在している人になってる。
これは、脚本の繊細さも勿論そうだが、演出の細かさだろう。なんだろう、どこがそうだからって言えないんだけど、例えばケイト・ウィンスレットがベビー・シッターを頼んだ年上の友人に、お礼のお金を渡そうとして断られるシーンがあるんだけど、その友人はただ断るだけじゃなくて、ちょっとムッとして帰ってしまう。ストーリーの本筋にはまったく寄与しないシークエンスなんで、別に怒る必要も無いし、ましてやお礼のお金を渡そうとする行為自体も必要無い。だけど、この友人の考え方というか、ポリシーというか性格は明確に描き出している。こういうシークエンスがたくさんあった。
まあ、本筋に関係無い事ばかりなので、実際には尺も長くなってるし、映画のテンポ的にはどうなの?って感じもあるけど、そういう事をちゃんとやってると、本筋の所にもリアリティというか、説得力が増すし、心地良い。
ちょっとした演出と脚本の気配りなんだろうけど、そういう所は忘れたり、おざなりにしちゃダメだね。


第7位 「あるスキャンダルの覚え書き
もう正直、最後の主人公2人の言い争いは変人同士過ぎて、共感も何も出来ません。でも、それも映画の醍醐味。変人同士の自己弁護と相手を貶める会話の応酬。もう楽しすぎです。
相手に勝手に入れ込んで、裏切られたと思い込み、やがて支配していく…。ジュディ・デンチ怖い…。
持つ者と持たざる者、劣等感と優越感。本当に対等な人間関係なんて存在しないってのは身につまされるけどね。
まあ、自分の子供が○○だから、って教え子とデキちゃうってとこに共感できるかってところに難しさはある。女性の方が受け入れやすいかも。受け入れられなければ、受け入れられないほど、最後が楽しいけど。


第6位 「クローズZERO」
ヤンキー漫画原作で、監督は三池崇史。もう男臭さ満載です。正直、映画として万人受けはしないだろうけど、原作好きとしては、その世界観が実写にすることで壊されていないだけでも、充分です。ボコボコにぶっ壊されるのを本当に最近よく観るからね…。
「男だったらケンカでトップになりたい!」って、この思春期の訳わからん想いを、大の大人がなんの衒いも無く創っているのが心地良い。
原作好きでも、確かに原作そのままのストーリーでやられるのはどうかなって言うのはあったな。坊屋春道がイメージと違うともう台無しだしね。しかも実写にすると難しそう。まあ原作者の意向らしいけど、サイドストーリーという感じで、原作とのかすり方も良いかな。最後のリンダマンの使い方も納得。「アレ、鈴蘭統一しちゃったよ」と思ってたら、ああそういう事ね。納得です。
黒木メイサとか出てるけど、殆ど意味無し。
横道坊主THE STREET BEATSとか原作イメージに沿ってるね。変なタイアップとか無くて、それは正解。


第5位 「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
ホイチョイ、クダらね〜。
まあ、ある程度映画を観る層にも馴染みがある時代を使った、時代劇ギャクだよね。
細かい検証なんてすんなよっ!これはそんな映画じゃねぇっ!って、もう言い張られたら何も言えませんよ。「総量規制の記者会見を止めたらバブルは弾けない」って、その前提どうなの!?ってツッコミはもう野暮ってもんですよ、野暮。
もうバカさ加減には感服です。しかし、観終わって暫く経つと、俺はバブルの最中には参加出来なかったが、実際に回りにはバブルに踊らされて痛い目あった人間も結構いたり、まあ自分の家にも影響なかったかというと、そうでも無いので、あんまり手放しで笑うのもどうかな〜って思ったりしてね。


第4位 「アヒルと鴨のコインロッカー
何となく、原作が評判だったので気になったので観た。
ネコ好きとは観に行けない映画。いや、俺もネコ好きなんでかなり嫌な気分になった。まあ、映画的、物語的には必要なのは解かるけどね。
濱田岳のゆるい感じは好きだな。
映画的にはミスリードがえんえん続くが、その真相は解からなかった。引っ掛かった。というかう〜むちょっと反則な感じが…。瑛太にそんな使い方があったのかと…。


第3位 「キサラギ


第2位 「ブラックブック」


第1位 「ブラッド・ダイヤモンド