「言えない秘密」

久々に「ふの会」を開催。今回は新宿武蔵野館で台湾映画「言えない秘密」を観る事に。
この作品の存在すら知らなかった。id:highsakanaが「悪い予感がする」と一時躊躇するも、id:honさんと「つまらなかったら俺らが金払うから!」という事で落ち着く。


いや、yahooのユーザーレビュー1位は伊達じゃなかった!素晴らしい作品だった!モロ俺好み。
全国16館の規模はあまりに寂しい限りだが、近くの劇場でやっているなら、これは観るべし、金払って劇場で観る価値ありッ、ってか、観逃すなッ!!っつうことだ。
で、本当に前情報を入れず行ったのは大正解だったので、何も情報を入れずに行ってください。予告編も観ちゃダメだっっっ!!!


これ以降は、ネタバレ含みます。絶対に、未見の人は読まないように!!こんなに良い映画を体験出来ないという、あまりに勿体ない事になります。
読む人は自己責任で。





いやぁ、もう途中までどうしようかと思ったよ。こそばゆい高校生のイチャイチャぶりを、ずーっと眺めさせられるのかと思ったよ。いや、この描写を丁寧にやるのは解かる。必要だ。萩原智子岩崎恭子酒井美紀を足して2で割ったようなヒロイン、グイ・ルンメイもキュートで、ちゃんと画面を保たせている。
ちょっとしまりのない松山ケンイチリュウ・シオンを足して2で割ったようなジェイ・チョウ。おー、ピアノは自分で弾いてるんだね。スゲェ。正直映画だと、本当に弾いてなくても音は出るんで、そこまで本気でやらんでも…。脚本・監督・音楽・主演って、どんだけスゲェんだよ、おいっ!!
頭文字D」観なかったな〜。あら、親子の取り合わせ一緒かよ。


このまま、難病モノとかになったら嫌だな〜とか思ってたら、そんな流れに…。いや喘息とか確かに伏線張ってたよ…。そっち系の感動かよ。ふざけんな!yahooレビュー。
お、違うのか、えーっ、幽霊モノ!?それも嫌だとか思ってたら、うーむ、マジでっ!?っつう流れに。
何だろ、ピアノのスコアとか高尚なモンに書かれたトンデモ文章も、何となく受け入れてしまう素地って。庶民の哀しさか。ここから、氷解していくストーリーの心地よさ。ただ、親父の回想告白はちょっと冗長。何気にそれまでコミカルピースだった親父が、ひでぇ存在だって気付くしね。
ラストはまあ、「どうやって、あの世界で生きてくんだ?」とかは、もう突っ込むだけ野暮でしょ。本当はもっと掘り下げるべきなのかも知れないが、ラストへの怒涛の勢いはそれらも消してくよ。


いろんなブログや、2chの書き込みを観ると、「これ解明されてないよ」的なネタがあったり、「本当はこうじゃないの」ってのもあったので、いくつか俺の解釈を書いておこう。

用務員さんが20年後に病状が悪化してるのは?

これに意味があるのか?って話。考えられるのは、何かしらエピソードがあって、それが削られたかね。
まあ思うに、この用務員はグイ・ルンメイが20年前の生徒だった時にも、現在も会った唯一の人物なんだよね。だから、こいつがおしゃべりだったら、まあいろいろと不具合が起きるし(当然親父のこともも知ってるしね)、だからといって、グイ・ルンメイジェイ・チョウがすれ違うのには必要なキーパーソンだしね。

グイ・ルンメイの母親が語りかける写真の旦那は、アンソニー・ウォンじゃないか?

つまり、グイ・ルンメイジェイ・チョウは異母兄弟で、最後に二人の関係に気づいた親父が、ジェイ・チョウを追いかけるのは、兄弟での恋愛を止めようとするため。で、走っている最中に胸を押さえるのは、実はアンソニー・ウォンも喘息持ちで、それがグイ・ルンメイに遺伝した。って意見があった。これにはちょっと唸った。
物語の始めの方で、片親ずつの二人が実は兄弟だった…というのは考えたが、それはちょっと穿ちすぎかなと。20年前にアンソニーウォンとグイ・ルンメイの母親は会ってるしね。まあ、だから「この先生スケベね」と用務員さんが耳打ちするという意見もあったけど、まあ、それも穿ちすぎでしょ。