「2009年劇場鑑賞映画ベスト10」

まずは観た作品。


海角七号 君想う、国境の南
ディア・ドクター
イングロリアス・バスターズ
アンヴィル!夢を諦めきれない男たち
チェイサー
3時10分、決断のとき
バタフライ・エフェクト3/最後の選択
母なる証明
実験室KR-13
マイマイ新子と千年の魔法
笑う警官
セントアンナの奇跡
重力ピエロ
チョコレート・ファイター
スター・トレック
宮本武蔵 双剣に馳せる夢
劔岳 点の記
アマルフィ 女神の報酬
グラン・トリノ
スラムドッグ$ミリオネア
チェ 28歳の革命
レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
チェンジリング
罪とか罰とか
ヤッターマン
フロスト×ニクソン
ダウト−あるカトリック学校で−
フィッシュストーリー
レッドクリフ Part?
サマーウォーズ (順不同)


2009年は30本。
さて今年は1位がもう完全なぶっちぎりなので、ベスト10というか、「1位とその他」でいいじゃんと思っていたのですが、終盤に来て「おお〜」と思わせる作品もあったので、やっぱりベスト10で。しかし、結構良作佳作に恵まれた一年だったのでは。ベスト10に洩れたけど、例年だったら上位ってのもあるな。


では、10位からスタート!


【10位】「劔岳 点の記」
意外?いや観た作品群を眺めていたら、これを2009年の映画から外せないなと。詳しい感想は7月25日日の日記参照(http://d.hatena.ne.jp/fukafuka/20090725)の事。とにかく、素材やら舞台やら、材料は本当に素晴らしい。しかし、如何せん味付けが薄すぎる。勿体無過ぎる。もっとあざとく演出すれば、日本映画史上最高の作品になった可能性はあるのだ。それだけに・・・。ただ、やっぱ邦画には頑張って欲しいのでね。


【9位】「チョコレート・ファイター」 
いやそうなんですよ。いくらCGでスゴい映像を創って見せられても、どうとも思わんのですよ。でもこいつは本物だ。いやもう女の子が上段蹴りする姿だけでお腹一杯ですよ。4年のトレーニングの後に撮影2年って・・・。昔、ジャッキー・チェンの映画を観に行って、エンドロールが楽しみだった。で、これにもNG集あるんだけど、これは微妙。名も知らないやられ役の人の行く末を心配する羽目に・・・。ただ、やっぱ精薄を主人公ってストーリーテリングの制限が大きすぎるよね。「ウルトラミラクルラブストーリー」を観て、更にそう思ったよ。


【8位】「フィッシュストーリー」
今年は2本あった伊坂幸太郎原作の映画化。4つの年代のそれぞれのエピソードが、実は地球滅亡から救うという構成の映画なのだが、はっきり言ってこじ付け過ぎ。ただ、中心になるバンドの話での伊藤淳史や、現代の多部未華子森山未來といった所が微笑ましい。これは「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」と同じように、他人が多分評価しないだろうけど、俺が何か好きになった作品なのでランクイン。


【7位】「スター・トレック
原作物って、結構どう作ってもいろいろ意見出るよね。それが熱狂的なファンがいるものなら尚更。俺はトレッキーじゃないけど、一応話の流れとか登場人物は知ってる程度。でも、それ位の知識でも、納得が出来たし、シリーズを全く知らないhonさんも、普通に映画として楽しんでたよう。でもって、多分トレッキーでもある程度納得出来たんじゃないかなと思う。いや、この全方位的な感じってスゴイよね。大体、ファン向けかファン無視かのどっちかに走るじゃない。このバランス感覚は素晴らしいなって事でランクインです。


【6位】「海角七号 君想う、国境の南
これね、映画自体だけで評価するとランク外なんだよね。後半は少し締まるんだけど、前半のバンド結成ってな所まではハッキリ言ってキツい。ドタバタコメディが滑ってる感じ。ヒロインの田中千絵もあんまり可愛くないし。ただ、時折入るラブ・レターのナレーション。その意味が入ってくると、やはり違う。「日本人」の一人として考えさせられる。何だろこの感じ。なので、そういった歴史的背景まで気持ちを寄せると、「日本人」としてこの映画のメッセージをどう受け取るのかと自分に問い掛けられる。特アの問題に興味がある人はDVDでも良いので観とくべき。


【5位】「母なる証明
フックは最高だろ。フックだけで言ったら今年最高かも。今年もう一本見た韓国映画「チェイサー」もそうなんだけど、韓国の警察のいい加減っぷりってスゴいよね。でもって、両方ともだけど後味悪すぎ。いやそれが韓国映画の持ち味なんだけど・・・。ラストも納得なんだけど、そうした方が「母の愛」が際立つのも理解出来るんだけど・・・。


【4位】「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
いやもう心の奥をえぐってくるんですよ。とにかく嫌な感じになる。これちょっと倦怠気味の夫婦とか一緒に観に行ったら、マジで二人顔面蒼白で映画館後にするよね。とにかくこの映画の教訓は「女優は嫁にするな」って事で良いんですかね。


【3位】「アンヴィル!夢を諦めきれない男たち
痛い、とにかく痛い。これhonさんと一緒に観に行ってたら絶対通夜だよ、もう。ただ壮大な友情と家族の物語だよね、これ。題材はへヴィメタルだけど、普遍的なテーマ。ラストってあれ仕込みじゃないのかなぁ?


【2位】「ディア・ドクター」
2009年最終鑑賞映画。12月30日の日記参照(http://d.hatena.ne.jp/fukafuka/20091230)のこと。いや、素晴らしいの一言。特に何か事件とか起きる映画では無いのだが、初めにフックを用意してあるので、その後の日常の姿を延々と流すシークエンスも保たれるし、それこそが必要なことだと後で解かる。いやー鶴瓶恐るべし。後、瑛太余貴美子八千草薫が凄すぎる。それに比べたら、いや上手いんだけど香川照之井川遥ですら霞んで見える。二人とも良い役者なのに。今年はアレが無ければ、例年なら間違いなくダントツの1位。


と言う事で、2009年の【1位】は・・・。もうお分かりですね


【1位】「マイマイ新子と千年の魔法
ダントツの1位。2009年という枠に収まりきらず、少なくとも2000年代ではコレに比肩する映画は存在しないだろう。実際に片渕須直監督に読んでもらった12月9日の感想(http://d.hatena.ne.jp/fukafuka/20091209)があるので、どれくらいスゴい作品かはそっち読んでもらった方が早いだろう。いや、映画で「100点満点で何点だった?」とか聞かれることもあるのだが、この作品を観た後に、「自分が今まで信じてた100点が、本当は100点なんかじゃなかった」ということを知らしめされた。映画という、いやあらゆる物語という物の可能性、奥深さを見せ付けられた。実際に、劇場で同じ映画を金払って2回観たのは始めて。そして、多分3回目も行く。
いろいろな人にネットを使ったり、直接観るように薦めてみたが反応は悪い。いや解かるんだよ、俺だってhonさんとの「お互い誘ったことを非難しない不可侵条約」が無かったら観に行ってないもんな。ただ、今年知り合った塾のSさんが観に行ってくれたので、思わず抱きしめそうになった。勿論したら捕まるのでしなかったが、嬉しかったな。


ということで、2009年のベスト10でした。
選外の作品についていくつか。「グラン・トリノ」は評判も高いし、理解は出来るのだが、あのシーンのリアルさに逆にダメになった。いや、それは重要なんだけど、それだけ感情移入させられていたんだけど、それ故に・・・キツすぎた。「セントアンナの奇跡」はフックは良かったけど、映画の大前提になるファーストシークエンスに疑問が出来ちゃってダメだったな。「サマーウォーズ」は細田守がメジャーになってきたのは良い事なんだけど、作品自体で観ると「僕らのウォーゲーム」の劣化版だしな〜。「フロスト×ニクソン」は面白かったけど、実話だけにフロストの行動原理が弱い感じがした。「チェンジリング」はフックは良かったけど、まあこれも実話だから仕方無いけど捻りが無かったし、最後は蛇足。「スラムドッグ$ミリオネア」はラストの問題の簡単さに引っかかった。「イングロリアス・バスターズ」随所に光ったところはあるし、やっぱ会話とかさすがタランティーノとか思ったけど、ナチの書き方のステレオタイプ過ぎが引っかかった。


選外だけど良かった作品
バタフライ・エフェクト3/最後の選択」
3時10分、決断のとき


最後に、「時間と金返せ」と思った作品
1.「宮本武蔵 双剣に馳せる夢
2.「笑う警官」
3.「重力ピエロ」

でした。