「インビクタス 負けざる者たち」

川崎での「深夜映画の会」に初参加。
クリント・イーストウッド監督作。何だろ、この観終わった後に何も言えない感じは・・・。まあ、完成された映画ってことなんだろうな。いやー、ケチとか付けられませんぜって・・・。


南アフリカは、2007年のラグビーW杯の優勝チームだし、各国のランキングでもここ数年2位か3位を取っているので、何となく「スプリングボクス=負け犬(ルーザー)」って構図で始まるのに違和感があったんだけど、調べたら、第1回と第2回のW杯は、アパルトヘイトの問題で、出場見送りにされてたんだね。だから初出場初優勝だったんだ。


honさんへ、ラグビー豆知識。
なぜ、マンデラ(モーガン・フリーマン)が監督*1ではなく、主将のピナール(マット・デイモン)を叱咤激励するかというと、ラグビーにおいての主将、キャプテンというのは、あらゆるチームスポーツの中でも、その存在の重要性が異質だからだ。試合が始まってしまえば、監督はスタンドで観戦するだけの存在で指示すら出せない*2。後は全て試合の組み立てから何からキャプテンの裁量に任される。
実際に、日本選手権7連覇した神戸製鋼は監督がいなくて、練習メニューから全てキャプテンの平尾誠二が決めてた。
だから、劇中でも「スプリングボクス=ピナールのチーム」って呼ばれてた。コーチや監督が変わっても、キャプテンを変えなかったというのも、変化させなかった一つだったという事なんだね。


そりゃ、マンデラも暗殺されないし、南アフリカが優勝するのも、観る前から解かってる事だけど、それでも「えっ!?どうなるの!?」って思わされるのは、演出の力だよね。
もっと本当は、何か「この瞬間から変わった」という出来事や演出が必要なのでは・・・。と思ったりはしたんだけど、実際にはそんなドラマチックに世の中出来てないし、こういう方が実話ベースで重厚な作りになってるんだろうな。マンデラが、「優勝しろ」とは言わないけど、ピナールが「優勝しろって事だと思う」と受け取るシーンは、かなりグッと来るね。


いやー、それにしても“ハカ”はカッコイイな。男として生まれたからには、一度はやってみたいもんだ。

*1:というか、監督の存在感全く無い

*2:最近は、戦術的交代が出来るようになってからは、携帯電話やトランシーバーで指示出したりしてるけど