「パレード」

シネ・リーブル池袋で鑑賞。行定勲監督作。
男女4人が同居する一室に、ある日もう一人同居人が増える。新たな同居人の存在が、4人の微妙な関係に影響を与えていく・・・。
とまあ、一行で説明しろって言われたら、上に書いたようになるけど・・・。うーむ、まあやりたいことは、希薄な人間関係に依存する都会に住む若者の空虚さを燻りだし、その心の闇に潜む崩壊への胎動を描く。的な感じだが、まあやれてないね。
利害関係のみでルーム・シェアをする4人を『希薄な人間関係』としたいのだろうが、いや結構仲良さそうだ。あんまり濃密じゃあ息が切れるだろうし、かといって冷たすぎる関係かっていったらそうでも無く、誰かの悩みはみんな共通認識になっていたり、外の世界でも繋がっていたりと、まったりとした関係に描かれている。いやあの中にいても心地良さそうな感じだ(いや、そういうふうに描こうしてると思ったよ)。
「ああ、上辺だけの関係ね」って、見透かしたように言われるけど、「いや、お前の方が解かってないよ」と突っ込みを入れたくなる。それまでの描写を見てるとね。
それぞれ群像劇的に、悩みらしきものを描くが、許容の範囲は出ないし、繋がってもいかない。そもそものキャラ設定に必然性が感じられなかった。
隣の部屋の話も、そんなに広がらないし、そもそも必要あったのかと。


で、まあラストなのだが。まあ、あれは知り得ていながらの拒絶という表情で表すことによる恐怖って見方が正しいのだろうが、既然の事実を共有し、尚且つ拒絶しないっていう風に俺は見えたよ。あれは、優しさだろって。間違ってると思うけど、そう感じたのだから仕方ない。まあ、投げかけラストだからどう取っても良いのだが、やっぱミスリードって必要だよな。多分、開始10分でみんな解かってるよな〜、アレ。