「ソラニン」2回目

二本立てなので、もう一回鑑賞。
今回観て気が付いたのは、芽衣子母の「若いうちは、困難な道は一つしかない・・・(うる覚えです)」って原作のセリフは無いのな。一応「・・・同棲してるのバレバレですよ」ってメモはあったけど、あれじゃあ出てくる意味無いな、芽衣子母。
種田父の「成男がいた事を証明・・・(うる覚えです)」って芽衣子に言うセリフも無い。でもこれは正解だ。原作読んだときに「これは人の親なら言っちゃダメだろ」って思った記憶が・・・。
ラストのステージをもう一回観直したけど、一回目の時に殆ど印象に残ってなかったんだけど、まあアレじゃあ残らないな。力が弱すぎ。


まあ、結局誰に一番感情移入するかっていうと、俺は加藤だな。チビデブ(まあ最近はデブとまでは言われないくらいにはなったが・・・)でブサイクにメガネ。そんでもって、パートはベース(高校時代に一瞬だけ組んだバンドでベース弾いてたよ、俺)で、自分より背が高い年上の彼女って・・・。


さあ、漫画原作でバンド物と言えば「BECK」が来ますよ。思い入れは「ソラニン」の比じゃあ無いからな。オールタイムでも俺の中で10本の指には余裕で入っている大好き作品。配役はまあまあだと思うけど(真帆役は・・・)、一番の心配点は監督が堤幸彦ってとこだな。まあ話し自体は多分グレイトフル・サウンズのところまでだろうな。
スゲー、観たいような、観たくないような・・・。

 「パーマネント野ばら」

本公開時に見逃したので、目黒シネマで鑑賞。こっちも見逃した『女の子ものがたり』と二本立てだったら完璧だったのに・・・。おかげで『ソラニン』もう一回観ちゃったよ。


西原理恵子原作。吉田大八監督作品。出演は、俺の第二の故郷坂戸が生んだ大女優菅野美穂


まあ監督は男だけど、フルガールズムービーだな。こういうの制作陣が男だと非難されそうだけど、そこは「サイバラ」ブランドの力ですな。どうしたって説得力持っちゃうよ「サイバラ」ブランド。
女の弱さ、愚かしさそして強かさを全編にちりばめられている。だって出てくる主要な男が全部ダメダメでさ(江口洋介除く)。うーむ。
高知弁を最近はずっと聞いてる気がするけど、やっぱ方言はこういう映画だと色を添えるよね。
「どんな恋より、無いよりマシやき」小池栄子のセリフだけど、これを聞いた時は「ああ、セリフ立っちゃってるよ」って思ったけど、スゲー効いてくんのな、後で。
まあ、菅野美穂はやっぱりスゲーな。「私、今恋してます」ってあの表情作れんのはスゲーや。だからスゲー切なくなるよな。今年観た「さんかく」での田畑智子と、今回のラスト顔アップ対決の勝負は拮抗してますな。
夏木マリ姐さんと、本田博太郎兄さんには相変わらず脱帽ですわ。


とにかく、まあ日常描写系でそのまま来ると思ったら・・・。いや、ネタバレはしないけど(原作未見ですが、それは本当に良かった)、ちゃんと映画として、一滴毒を盛ってました、と。観終わると、ポスターのコピーとか、予告とかちゃんとしてるよな〜って感じです。良作。


女が女としての戦いは遥かに永く、バツ1シングルマザーくらいはまだまだひよっコよ、的な感じはスゲーな。

 「ソラニン」

結構前に観たけど、今頃感想。シネ・ルーブル池袋で鑑賞。
峰なゆか先生曰く「日本で一番オ○○○見せてもらってそうな漫画家」浅野いにお原作の映画化。三木孝浩初監督作品。脚本は高橋泉。主演は高良健吾宮崎あおい



原作は連載時に読んでた。とにかく、ヒロインの芽衣子というキャラの醜猥さが見事というほかない漫画だった。自分自身の「自分探し」には努力もしないで中座し、自分の恋人にアイデンティティの寄り掛かりをして、その上で安定を求めるって、酷い女の子の典型。そして最後には、その恋人の位置に、自分がその資格があると疑いもせずに座る。自分が追い詰めて○した恋人の位置にだ。普通に考えたらスゲー酷い話。でも、そうは感じられない。それでもやっぱり自分の幸せを追求する女子の姿を否定は出来ないんだな男子は。さすが童貞臭さ満載のヤングサンデー連載漫画。もう無くなっちゃったけど。


で、映画。まあ漫画原作の映画は軒並み滑ってる今日この頃。好きな作品だと特にその痛手は大きい。「ハチ○ツと○ローバー」とかね。回避しようかと思いきや、主題歌をASIAN KUNG-FU GENERATION(アジカン)でやるって聞いて観に行くことに。アジカン大好きです。それが無かったら観に行ってないよ。
原作の種田や芽衣子は、まあ普通の男子女子って感じなんだけど、高良健吾宮崎あおいじゃあ美男美女すぎる・・・。えー、一部で、俺があおいタンハァハァでは無いかという疑惑が持たれてますが、まあ好きですよ。前にも書いたけど、童顔高身長の女優は。いつか田中美保の話を書きますわ。
桐谷健太やサンボマスター近藤洋一は原作のイメージをよく表してたね。伊藤歩のアイちゃんも、イメージは違うが合ってた気がする。

アイちゃんの名台詞

「一瞬の気のゆるみで、 積み上げてきたものが全部パーになるかもってことを、 よーく考えてみ?」

これは真理です。全男子は心に留めておくべし。


原作を全て踏襲する必要は全く無いが、何を削り何を足したかで、脚本家や監督の資質が問われるのだとは思う。
何故それを削ったのか?ってのが3つ程あった。
(1)最後のライブの前の、芽衣子と冴木の会話
(2)ビリーの芽衣子への感情
(3)ソラニン演奏中の「終わる・・・曲が終わる」のモノローグ


(1)に関しては、この作品のテーマっていうか、凄く救いの部分だと思っていた。結局種田の本気は認められることは無かったけれど、冴木という一人の人間は動かしたっていう事の表しだったと思うので。これがあるのと無いのでは、作品の意味が全く違って感じられる部分だとは思った。何故削ったんだろう?確かに安直な表現ではあるけれど、身近な人間以外に何かしらの影響を与えたのは、必要な気が未だにしてる。


(2)は何となく、男子ならこういうシチュエーションってあるよな〜ってことで。ただ、これが無いと「ビリー、あんたいいヤツだよ」っていうセリフの残酷さと、種田とビリーの関係性が希薄になる気がする。セリフ一本でやれる事なんだけど、何で削ったんだろう?


(3)芽衣子が共有したかった曲という時間には終わりがあって、それが終わった後に得られるのは、達成感や充足感では無くて、寂寥感や秋霜感であるのが正しいんだと思う。あのモノローグはそれを表現するための物であって、結局あるのと無いのでは、作品全体に与える印象が180度変わってしまうものだと思う。これを削ったのには明確に脚本家や監督の意図があるはずなのだが、その意図の奈辺が全く解らなかった。埋められないものは埋められないままで良いのだと思うけれど、物語の終わりとしての清清しさを少しでも残そうという意図ならば、完全に見誤ってる気がした。


まあ、エンドロールのマスタングで許せちゃう気がした俺は、本当にアジカンが好きなんだなぁっていうのが解っただけだったんだけどね。
最後にソラニンの歌詞の最後の部分

さよなら それもいいさ
どこかで元気でやれよ
僕もどーにかやるさ
そうするよ

何となく、まあそんな気分です。

 「富士山登頂しました」

5合目を昼の12時に出発して、8合目の山小屋に着いたのが夜の8時過ぎ。まあ初心者向けって事で、15分くらい登って休憩の繰り返しだったので、時間は長かったけれど(高山病対策もあるけど)そこまで過酷って程じゃあなかった。
しかし、その分とにかく登っている時間は長かったので、何度も「俺、何でこんな事やってんだ?」と我に返ったりしてた。
その度に「いや、ハンニバルは象を連れてピレネー山脈を越えたんだ」と、頭の中でハンニバルごっこをしてました。
現在でも世界中の士官学校で教材として使われる「カンネーの戦い」と「ザマの戦い」の交戦配置図を頭の中に浮かべて、「何故、ハンニバルスキピオ・アフリカヌスに敗れたのか?」の考察をしながら、何とか乗り切りました。飽きてきたので、ナポレオンのアルプス越えと「マレンゴの戦い」に変えようかなと思った所ぐらいで山小屋に着いた。
山小屋で仮眠を取って、夜中の2時半に出発。5時に山頂に着き、御来光を見ました。日本の一番高い所でタバコを吸ってやろうと思ったけれど、ライター無くしてそれは果たせず。
下りは4時間半かけて、砂利道を滑り降りる。筋肉痛も辛いのは下りの時のもんだね。ここ数日階段を降りるのが辛かった。


まあ断言するけど、多分もう二度と登らないだろうな。富士山だけじゃなく他の山も。今回の俺的な目的は、山頂に辿り着く事でも、御来光を見る為でもなかったけど、まあ果たされたかな、と思えたので満足でした。


honさん。という訳で、俺のPCとHDDは破壊せずにお願いします。いろいろご面倒をおかけしました。

 「富士山登山前夜」

あれほど山登りが嫌いだと公言してきましたが、何の因果か富士山に明日登る事になりました。
スニーカーとジーパンという軽装で登って、救助されたって記事が最近あったけど、まあそれなりに準備はしたので、高山病にならなければ何とかなるでしょ。
でも、一応山は危険なので、何かあった時のために書き残しておこう。って言ってもhonさん向けだけど。


明後日帰ってきますが、もし何の連絡も無かった時は、まあそういう事なので予てからの約束どおり、俺のPCと外付けHDは完膚無きまでに破壊して下さい。うちの家族もhonさんのやる事には何の疑問も持たないでしょう。
それと、俺の部屋の机の隣の本棚の上に、今まで書き溜めたシナリオとヒドラジンから始まって、これまでに関わった全ての作品の撮影台本が紙袋に纏めてあるので、これは焼却処分してくださいな。
後、小泉先生の作品は全てhonさんに譲渡しますわ。


ではでは、御来光でも眺めてきますわ。

 「世代間統合は正しい道ですが・・・」

ちょっと前のニュースだけど・・・http://southafrica2010.yahoo.co.jp/news/ndetail/20100704-00000017-dal-socc

協会とJリーグ 技術委員会を統合へ


日本サッカー協会とJリーグの技術委員会が統合し、一丸となって強化を進める技術委員会再編プランがあることが3日、分かった。14年ブラジルW杯でのさらなる躍進のため、日本協会とJリーグが統一した育成指針を定める。
 日本協会の犬飼基昭会長(67)とJリーグの鬼武健二チェアマン(70)との間の調整は終えており、南アW杯後にも大改革に着手する。同委員会のトップにはGMを新設する見込みで、すでに暁星高サッカー部監督の林義規氏(56)に打診済みだ。
 日本協会の技術委員会は、中高生年代から“対世界”を念頭にトレセンや世代別代表で強化、育成を進めてきた。一方のJ技術委員会は各クラブの考え方を重視し、独自の育成方針を容認するなど歩調が異なっていた。
 だが、世界に通用する選手を育成するにはクラブのユース、ジュニアユースが抱える人材へ、直接的に世界基準を意識させる働きかけが不可欠。新技術委員会は日本が招致に動く22年W杯に向けた強化策の根本を担う部署となるため、犬飼会長は「これからはJと協力して人材を育てていく」と話した。

えーってことは何ですか、日本サッカーの未来をあの男に託すわけですか・・・。
日本サッカーの未来は明るくなるのか?

 「さんかく」

7月2日鑑賞。仕事先から直帰になったので、最終回に間に合いそうだったので劇場へ。
吉田恵輔監督作品。前作『純喫茶磯辺』が伏兵的な良作だったので、まあその貯金もあるし気軽に観に行った。
予告で流れる羊毛とおはなの主題歌が醸し出すように、ハートフルなラブコメかと思いきや、なかなかに抉ってな。


高岡蒼甫田畑智子の同棲2年目で倦怠期*1の二人の元に、夏休みだけ泊まりに田畑智子の妹、中学3年生の小野恵令奈がやってくるところから始まる。
いやー、出だしはほんわかとした雰囲気なんだけど、中盤からはホラーと言っても過言じゃない。驚かすっていうのじゃなくて、身を捩るような痛みってヤツですよ。しかし、この


高岡蒼甫の浅はかさを笑える男子はいるのだろうか?
田畑智子の愚かさを笑える女子はいるのだろうか?


って気になるよ。笑えるけど、そりゃ乾いた笑いだわな。
小野恵令奈ってAKB48の娘なんだな。知らんかった。いや、演技とかヘタクソも良いところで、セリフ回しもぎこちないんだけど、鼻にかかったような声でのそのそのぎこちなさが、また・・・(以下、自主規制
まあ、10代の女の子の無敵感っていうか、屈託の無い残酷さっていうのか、ともかくあの年代にしか出せない何かをキチンと出してたよ。15とかって犯罪だろって思いながら、惹かれてってしまう高岡蒼甫を笑えなかったりするんだな、これが。説得力はちゃんとあったな。


田畑智子は、別にこの女優さんのフィルモグラフィを追ってるわけじゃないけど、多分その中でも最高の演技だったと思う。安心から来る女性の鷹揚感*2から始まって、あらゆる負の感情と行動を出し尽くし、そしてあのラスト・・・。


という訳で、以下はネタバレありで

*1:とあらすじには書かれているが、そうは思わなかったな

*2:これについては「アイアンマン2」の感想でも述べます。

続きを読む